【イベントレポート】スタートアップ企業の広報・採用戦略について、Wealth Parkの皆さまに語っていただきました!

セミナー

Wealth Park社の山下氏と加賀谷氏、リンクトイン・ジャパン社の早瀬氏をお迎えし、スタートアップ企業の広報や採用戦略について語っていただくイベントを実施しました(2021年4月22日開催)。

 

まずは山下氏より、Wealth Park社の人事部長として実際に取り組んできたことについて語っていただきました。

スタートアップの人事として大切にしていること

①やりながら考える

②可逆性と不可逆性

③何とかなるし、何とかする

導入では、スタートアップ企業の人事として大切にしていることを教えていただきました。具体的に①の部分では60点でやり始め、徐々に80点に持ってことを心掛けるという話を、②ではまずやってみるということも大切だが、人事は一回やると出戻りできないことも多いため、慎重にバランスを見ながら進めていくことを大切にしている、③では不確実性が多い中で、戦略通りにいかないことも多くあるため、何でも受け止めてやる、という精神で動いているというお話をしてくださいました。

 

事業、組織フェーズに合わせて考えてみる

急成長しているWealth Park社では、それぞれの事業、そして組織のフェーズに合わせて採用広報を変えてきた、ということについてご説明いただきました。

社員数が50名未満のときは、事業は0→1のフェーズで、不確実性が高いものの、「何をやっているのか分からないが、わからないことが面白い」と社員と候補者は思っていたため、何かをアピールして、解像度を上げる必要はなく、わかる人にしかわからないという状態でむしろよい(広報不要説)と考え、動かれていたそうです。

その後、社員数が50~100名に増えてきたときには、事業は1→10のフェーズとなっており、社員と候補者は「わからないことが不安」という気持ちになっていたため、このタイミングで発信力を上げていくということに取り組まれたとのことでした。

 

発信は社内と社外のバランスを考える

広報と言われると、社外を意識しがちですが、社内にも目を向けるということを大切にされてきたそうです。外ばかりへの発信を意識して、社内を置いてきぼりにせず、執拗によく見せようとし過ぎない、社内から社外への熱伝導を作っていくことに共感のコメントが寄せられていました。

上記でお伝えした、~100名規模のタイミングでは、社内の隣の部門が何をしているか、わからないということが起こっていたため、中の人にフォーカスして、お互いを知るというところから始めたということです。

具体的なところでは、

  • 活躍社員のインタビューを毎月記事化
  • 表彰制度を導入し、毎月の全社会議で表彰すると同時に記事化

をSNSのチャネルによって、内容はカスタマイズしながら、拡散していくことで、社内を通して社外に出していくという流れを作っていったとのことでした。

 

また事業の解像度を上げるという点では、ビジョン・ミッションから手を付けるということがセオリーだと理解しながらも、

このフェーズの社員はビジョン・ミッションに惹かれて入社しているわけではなく、またビジョン・ミッションの言語化のプロセスに時間がかかるため、敢えてここには手を付けないという意思決定をされたというお話が印象的でした。

その結果、

わからないことが不安というところから、まだ何をしている会社なのかわからないけれど、

優秀な人、ユニークな人が多くてなんだか面白そう、チームワークがよくて仲が良さそうというように候補者から思ってもらえるようになり、

月間の応募数は100件未満だったものが300件近くに増え、面接では「記事読んできました」という声をよく聞くようになったそうです。社員数も50名から100名に増えたという変化を起こすことができたとご説明されていました。

 

採用におけるLinkedInの活用について

LinkedInの活用も積極的にしており、外国籍が多いエンジニアの採用にはLinkedInが有効であるとお話ししてくださいました。使い方としては、①Weeklyで事業部責任者と採用担当が一緒にデータベースを確認して人材をピックアップし、②スカウト文を人材に合わせて個別でカスタマイズし、③カスタマイズしたスカウト文を1通ずつレビューして校閲後に送信するということを繰り返してきたとのことです。

その結果、ダイレクトの返信率が約10%以上あがり、これまではエージェント中心の採用活動をしていたが、ダイレクトの決定実績(ダイレクト比率)が7割近いものになったとのこと、素晴らしい実績です。

 

今後については、事業が10→100のフェーズになってきており、なんとなくだと通用しなくなってきているため、さらに解像度と発信力を上げていく必要があるところにきており、いよいよビジョンミッションの解像度をあげていくときだとお話しされていました。

またコロナ禍でリモートワークが主流になり、物理的な距離ができてきているのと、人数が3桁を超えてきたことにより、ひとりひとりの心理的な距離ができてしまったために、共通の求心力が必要となってきているため、そういった意味でもビジョン・ミッションをしっかり取り組んでいきたいと最後にお話ししてくださいました。

 

採用はフローからストック、そしてナーチャリングの時代へ

LinkedInの早瀬氏からは、採用広報に関する理論の部分でお話いただきました。

日本の労働市場に対して転職する人はたった5%で、現在はこの5%を各社で取りあっている状態のため、この現状に直面した各企業は、ダイレクトリクルーティング、採用広報をやり始めてきていると、全体感をご説明いただいた後に、

各企業は候補者に対してまずはスカウトを送るというところから始めたものの、なかなか返信が返ってこないということに直面し、awareness(知ってもらう状態を作ること)が大事だと考えるようになった。こんな会社がある、面白そうな会社があると知ってもらうのが昨今のトレンドとなっていると、ご説明いただきました。

 

ただ実際に応募するかはタイミングが重要で、もやもやしているが動いていないという状態の候補者も多く、また候補者の意思決定のプロセスも複雑になってきているため、「採用のナーチャリング」がトレンドになってきているとお話いただきました。

具体的には、

すでに知ってもらっている状態を保ち、必要なタイミングで応募を検討してもらう状態を作ることが重要で、「接点の継続・情報の提供・機会の提供」が大事とのことでした。

イベントではエンゲージメントを高めるとスカウトの返信率が変わり、採用人数も大きく変わるというお話をLinkedInでの実例をもとに、具体的な数値を用いてお話しいただきました。

 

 

今回のイベントではスタートアップ企業での採用広報ということで、事業がスピード感をもって成長しているからこそ、いまのフェーズではやらないという意思決定をするお話や、広報と言っても、社外ばかりを意識するのではなく、社内から社外へという熱伝導を大切にしているという内容が非常に印象的でした。

山下氏がお話しされていた「Vision/Mission/Value」とか「採用ピッチ」とか、周りがやっているから、大事だといわれているから、という理由でやる必要はない、という話。自社の状態をいつも観察し、やるべきことを愚直に実践していく、泥臭く重要な話に溢れてました。

すぐにでも実践できるtipsも多くあったので、是非参考にしてみてください!