アルムナイ採用とは パート2

アルムナイ採用とは パート2 採用ノウハウ

こんにちは、LeINの藤田です。

前回(前半記事)は、アルムナイ採用の概要をお伝えしました。
後半である今回は③「アルムナイ作用におけるアドバイス」④「アルムナイ採用を成功させている他社の事例」を紹介し、⑤「まとめ」とさせていただきます。

 

目次

①.アルムナイ採用とは(前記事
②.アルムナイ採用の4つのメリット(前記事
③.アルムナイ採用におけるアドバイス
④.アルムナイ採用を成功させている他社の事例
⑤.まとめ

③.アルムナイ採用におけるアドバイス

1)アルムナイ制度の整備

アルムナイのネットワークでの採用などを正式な会社の制度として運用するのであれば
改めて受け入れのルールを整備し準備をしましょう。

元社員だから、と容易に入社を受け入れていると後々に、
思わぬトラブルに発展してしまうこともありますしケースバイケースで対応していると
平等性に欠けてしまいます。事前にあらゆるケースを想定しておきましょう。

また残念ながら再雇用が歓迎されない元社員もでてくるでしょう。
受け入れの可否を個別に決めることは安易ではありません。
そうならないために、制度を利用できる人の条件(例えば一定の役職以上や評価など)や
在籍年数や離職期間の期限、さらには再雇用の上限の回数なども
事前に定めておくことも大切です。

制度の設計は、現役の社員にとって不利益があってもいけませんが出戻りだからといって
在籍時と同じ処遇ではアルムナイにとって魅力的な制度にはなりません。
外で積んだキャリアや能力をきちんと評価し改めて雇用条件を決めます。
そこはバランス感覚がとても求められますので人事担当者の腕の見せ所でもあります。

またアルムナイネットワークでは正社員としての再雇用だけではなく
業務委託での仕事の依頼や、正社員の有給休暇中の代理人、
休職者の一時的な代理人などで活躍してもらう事例も珍しくありません。
顧客の紹介、人材の紹介などもありうるため
その際の手続きなども決めておくことで、メリットを最大化できます。

2)社内での認知度アップ

アルムナイとの良い関係を構築し、制度を整備できたとしても
やはり現役の社員たちによく理解され、認知されないことにはうまくいきません。
一度は辞めるという選択をした退職者を、歓迎しずらい社員も出てくると思います。

そのためには社内でアルムナイの活用に際して、
導入の意図や背景、メリットなどを十分な説明を行い
現役の社員たちにとっても将来的には活用できる機会であり、
メリットのある事を理解してもらいましょう。

また制度があることが他社への転職を喚起するものではあってはいけないので、
モチベーションの最も高い入社時の案内などに組み込む、など
伝えるタイミングも重要となります。

アルムナイを「戻ってきてくれた人材」として歓迎するムードも
本人の早期の活躍はもちろんのこと組織の活性ために必要です。

3)アルムナイネットワークの管理

退職者が退職者同士でのリレーションを構築したり、
現役の社員との関係を維持してくれると良いですがなかなかそうは、いきませんよね。

退職するときに、会社貸与の携帯電話を返却してしまったら
会社の人の連絡先が全く分からない、ということは珍しくないと思います。
企業によっては、名刺や連絡先のデータなどをすべて消去するようにと
言われるところもあると思います。

そこで、まずは人事が主導して退職者に対して案内し、
アルムナイ向けのネットワークを管理する必要があります。
具体的にどのようにネットワークを管理するかは次の④で
他社の事例を持ってご案内しますが、多くの企業はインターネット上での
コミュニケーションツールを導入しているようです。

例えば、アルムナイ向けに新商品の情報や、記念パーティのお知らせなどを掲載したり、
アルムナイからも、情報を発信できるようにするなど
リレーションを構築する「場」として活用することでアルムナイとの交流がさらに活性化されます。

また退職時には、自社から心が離れてしまっていることも多いでしょうから2)にも
記載した通り、在職中から自社にアルムナイ制度があることや
アルムナイと接する機会を作っておくとよいでしょう。

④アルムナイ採用を成功させている他社の事例

それでは実際にアルムナイを成功させている他社の事例を紹介します。

1)アルムナイ向けのサイトを公開

アルムナイネットワークは海外ではもともと盛んであったため
マッキンゼー・アンド・カンパニーやアクセンチュアなどの外資系の
コンサルティング会社ではメーリングリストなどで繋がり、
取引や求人情報などを共有し合っていました。

他にも「P&G」などがアルムナイ向けの特設サイトを設けていて、
アルムナイが好きな時にアクセスできるようになっています。
グローバルに展開し、世界中でアルムナイが活躍している企業が多いのが特徴的です。

■マッキンゼー・アンド・カンパニー
https://www.mckinsey.com/alumni?aid=dau-web-mck-70

■アクセンチュア
https://www.accenture.com/jp-ja/careers/explore-careers/area-of-interest/alumni-careers

■P&G
https://www.pgalums.com/

2)アルムナイとのリレーション構築のための専用のツールを導入

2019年10月31日より電通はアルムナイのネットワークを公式化しました。
アルムナイ側から情報を発信したり、プロフィールの更新や
企業とアルムナイやアルムナイ同士のチャットなどもできる双方向型の
ツールを導入していることが特徴的です。
また再雇用というよりは、ビジネスにおける連携やパートナーシップを
促すことが主目的のようです。

■電通
https://app.official-alumni.com/alumni/register/dentsu

■セプテーニ
https://www.septeni-holdings.co.jp/csr/activity/alumni.html
https://app.official-alumni.com/alumni/register/septeni

 

 

⑤まとめ

2回に渡り「アルムナイ」についてお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。

「LinkedIn」の創業者であるリード・ホフマンの著書
「ALLIANCE アライアンス ー人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用」において
社員と企業は「アライアンス」という「企業と社員がお互いの希望を語り合い、
その人にあった仕事を探る」働き方が提唱されています。

経済が右肩上がりの時代では、新卒で入社した会社で定年まで勤め上げ、
福利厚生や退職金も、それを前提に作られていることが一般的でしたが、
変化の激しい社会においては、変わらない価値観を共有しながら
「集まり散じる」という柔軟な体制も必要になってくるのではないでしょうか。

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