CAE

この記事はCAEについて解説した記事です。会話形式のやさしい文章で「CAE」の用語のイメージを紹介した後に、採用に役立つCAEの知識を解説しています。

1分で分かる!CAEとは?

おーい!ジャバード先生!

ことりん君、こんにちは!今日はどうしたの?

さっきまでコスモス自動車さんのところにいってたんだけどさ、今度CAEツールのリプレースをやるらしいんだ!

うんうん。

それで、いまコスモス自動車さんがツールの選定をやっているんだけど、なかなかお眼鏡にかなうものがないみたいで、困ってるみたいなんだ。ボクも、いい製品があったら教えて欲しいってお願いされちゃったんだけどさ、そもそもCAEって何なの??CADっていうのは聞いたことあるんだけど、それと似たようなソフトウェアなのかな??

たしかにCADとCAEって一文字違いだもんね。広い意味では同じだけど、両者の目的は違うので注意が必要だよ。

あ、そうなんだね!具体的にはどう違うの?

CADはComputer Aided Designの頭文字をとっていて、日本語では「コンピュータによる設計支援」と訳されることが多いんだ。ただ、デザインという言葉が入っているように、コンピュータ上で製図を行うためのソフトウェアなんだ。

ふむふむ。コンピュータ上で設計図を書いていくイメージだね。

そうそう。一方、CAEはComputer Aided Engineeringの略なんだ。CADと同じように大枠でみればコンピュータによる設計支援なんだけど、CAEはソフトウェア上で仮想的に試作品をつくったり、仮想的にシミュレーションをすることができるんだ。

どちらも製品の設計をするために必要なものではあるけど、CADは製図をするため、CAEは事前に仮想的に試作品をつくったり、シミュレーションをするためのもの ってことだね。でもさ、試作品とかシミュレーションってそんなに大事なことなの??

それがとっても大事なことなんだよ。ことりん君、ちょっと考えてみて。例えば、自動車ってそれぞれ車体のデザインはまったく異なるよね。

うん!全然見た目が違うよね!自動車メーカーによっても違うし、同じ自動車メーカーでもいろんなデザインの自動車があるよね!

そうだね。その自動車なんだけど、とっても速く走ることができるよね?

うん!ビュンビュンだよね!

それだけのスピードで走るんだから、自動車の車体はとてつもない空気抵抗を受けることになるよね。

まぁそうだよね。ずーっと突風を受けているようなイメージかな?

そこで問題が発生するんだ。もし、新しくデザインした車体が、空気抵抗など一定の条件を満たすと簡単に破損してしまうようなものだったらどうなるだろう?

え!車体が壊れたら…状況によってはかなり大きな事故になっちゃうよね。

そうなんだ。最悪の場合は人の命だって奪いかねないんだ。だから、自動車をはじめさまざまな製造では、具体的な設計に入る前に、試作品をつくってシミュレーションをする必要があるんだ。ただ、実際に試作品をつくるのはとっても時間もコストもかかるよね?

そりゃそうか。試作品も検証したい分だけ必要になるだろうから大変だよね…。

そこでCAEの出番というわけだ。CAEを使えば、ソフトウェアの中で仮想的に試作品をつくって、さまざまな検証を行うことができるんだ。人間がマンパワーをかけてやる必要がないから、たくさんのシミュレーションであっても、時間は短く、回数は多くこなすことができるところがメリットだね。

なるほど。CAEツールを使えば無駄がないし、製品を開発するスピードもあがりそうだね!

そういうこと!知り合いの会社もCAEツールを使っているから、そこの製品を今度教えてあげるね。コスモス自動車さんには、そのCAEツールを紹介してみたらいいよ!

ジャバード先生ありがとう!そうするよ!

CAEとは?採用に役立つ基礎知識

CAEツールとは、Computer Aided Engineering の略であり、解析やシミュレーションを仮想的に行うためのソフトウェアを指します。いわゆる「ものづくり」産業においては、必要不可欠なものとなっています。

CAEツールは以下のようなメリットをもたらします。

  • コストダウン
  • 開発期間の圧縮
  • 現実世界では難しい環境での検証ができる

CAEツールを開発するエンジニア

CAEツールはWindowsなどのパソコンにインストールして利用するものが多いです。そのため、開発はアプリケーションエンジニアが担当します。

CAEツールを開発するエンジニアの特徴と在籍業界

CAEツールは一般的なWebアプリケーションなどとは異なり、開発にも高度な専門的知識を要します。そのため、CAEツールを開発するエンジニアも、様々な工学に関する知識を求められます。

なお、CAEツールはパッケージソフトウェアの開発企業、製造業の情報子会社、あるいはSIerなどが自社製品として開発しているケースが多いです。CAEツールを開発するエンジニアも、それらの企業に多く属しています。

採用する時に知っておくとよいこと

CAEとCADとCAM

CAEとCADについては前述したとおりですが、同じようなものとしてCAM (Computer-aided manufacturing)というソフトウェアもあります。各ソフトウェアの概要と使用時の流れを整理しておきます。

  1. CAE…試作やシミュレーションを行う
  2. CAD…CAEの結果を受け、製品のデザインを行う
  3. CAM…CADでつくられた設計をもとに、製品へ加工する

求人のポイント

求人を作成する時は、下記の内容を求人に入れるとよいです。

1システム(サービス)の詳細
※特にそのシステム(サービス)をなぜ作っているのかを熱量をもって記載する。
2開発環境
3現在のエンジニア組織の体制
4現行システムの課題と募集の背景
5求められる業務と期待値
6エンジニアとしてのスキルアップ支援制度の有無と詳細
7エンジニアチーム内での相互成長のための仕組み(勉強会やLT会など)の有無と詳細
8選考フロー
9待遇
10キャリアパス

CAEの豆知識

有名なCAEツール

ここでは有名なCAEツールをいくつかご紹介してきます。

AUTODESK社 FUSION 360

AUTODESK社は、CADやCAEといった3Dデザイン、エンジニアリングを手掛けるグローバルなリーディングカンパニーです。同社のFUSION 360は、CAD、CAE、CAMなどの機能をすべて包含しています。

トヨタシステムズ社 TOP CAST

我が国が誇る自動車メーカーであるトヨタの情報子会社に、トヨタシステムズという会社があります。このトヨタシステムズも鋳造(熱で金属を溶かし、任意の型にして冷やし固める加工法)に特化したTOP CASTというCAEツールを開発・販売しています。

日鉄エンジニアリング社 CAEソリューション

日本製鉄グループのSIerであるSCSKも、CAEソリューションを開発・販売しています。このCAEソリューションは、製鉄、環境、エネルギー、建築、土木など、さまざまな分野に対して1万件を超える実績を有しています。

CAE関連の資格

CAE関連の資格としては、一般社団法人 日本機械学会 計算力学技術者資格認定事業委員会が主催しているCAE技術者というものがあります。このCAE技術者は3つの資格があり、それぞれ初級・2級・1級・上級アナリストといった4段階に分かれています。

  • 固体力学分野の有限要素法解析技術者
  • 熱流体力学分野の解析技術者
  • 振動分野の有限要素法解析技術者

 

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