SAP

この記事はSAPについて解説した記事です。会話形式のやさしい文章で「SAP」の用語のイメージを紹介した後に、採用に役立つSAPの知識を解説しています。

1分で分かる!SAPとは?

ジャバード先生、財務会計って詳しい?

そこまで詳しくないかなぁ。どうしたの?

コスモス自動車さんが、財務会計に関して困っているみたいなんだ。

どんな悩みなのかな?

ボクもあまり詳しくないからわからないんだけどね。コスモス自動車さんって海外にもたくさんの支社を持っているんだ。でも、財務会計のルールって国によって違うらしいんだよ。

ふむふむ。

だから、各国のルールに合わせるために、それぞれの支社が自国のルールに適合した会計ソフトを使っているらしい。でも、最終的には親会社である日本法人が全部ひっくるめた連結決算をやる必要があるみたいなんだけど、とっても大変な作業みたいなんだ。

なるほど。

コスモス自動車さんがもっと楽になるようなソフトウェアってないのかな?

それならSAP(エスエイピー)社の、SAP S/4HANA (エスエイピー・エスフォーハナ)あたりを検討するといいんじゃないかな?

SAP社?日本の企業?

SAP社はドイツのソフトウェア企業だよ。ソフトウェア関連の企業としては、Microsoft、Oracle、それにIBMなどと並び、世界でも5本の指に入るほどの売上があるんだ。

世界第3位!巨大なIT企業ってアメリカか中国にしかないと思っていたけど、ドイツにもそんな企業があるんだね!

そうだね。SAP社はいろんなソフトウェアを開発・販売しているけど、同社の看板製品はSAP S/4HANAっていうERPソフトなんだ。ERPについてはまた別の機会に説明するけど、ひとまず会計などを含む「企業の経済活動にとって重要なソフト」と認識しておいてくれればいいよ。

※ リンク:ERP (158行目にて執筆予定)

そのSAP社のSAP S/4HANAっていうソフトを導入すれば、コスモス自動車さんの問題は解決しそうかな?

そうだね。SAP社のSAP S/4HANAは、グローバルに展開している大企業にたくさん導入されているんだ。設定を変えれば各国の会計ルールにも対応できるから、きっと解決するとおもうよ!

でもさ、なんでそんなにSAP社の製品は人気があるの?

いわゆる「鶏と卵」の関係性にも近いけど、世界でも売れている信頼性が高いソフトウェアだから、さらに売れるというのはあるみたいだね。特にERPというソフトウェアは、バグやミスが許されないからね。信頼性というのはとっても重視されるんだ。

たしかに数字がちょっと間違っているだけでも、決算の数字があわなくなりそうだもんね。

それにSAPは長年ERPソフトウェアを開発しているからね。その長い歴史の中で、さまざまな業界に属する企業の業務を蓄積してきたんだ。その業務知識は、SAP S/4HANAにも反映されているから、どの企業の業務プロセスにもフィットするように開発されているんだよ。

なるほどねぇ。SAPはERPのプロフェッショナルというわけだね。ジャバード先生、ありがとう!コスモス自動車さんに教えてくるよ!

はーい!いってらっしゃい!

SAPとは?採用に役立つ基礎知識

SAPとはドイツに本社を持つ世界的なソフトウェア企業です。ERPソフトウェアであるSAP S/4HANAを中心として、CRM、サプライチェーン管理、人事・人材管理などの業務ソフトウェアを開発・販売している企業です。

世界のソフトウェア業界でも屈指の規模を有しており、2020年の売上高は273億3800万ユーロ (約3兆5817億円)にのぼります。

なお、正式にはエスエイピーですが、サップと呼ばれることもあります。

SAP製品に関連するエンジニア

SAP製品に関するエンジニアは「SAPエンジニア」と呼ばれます。

SAPエンジニアの主な業務としては、各種パラメータの設定、カスタマイズ開発、製品導入に関するコンサルティングなどです。なお、カスタマイズの開発を行う場合は「ABAP (アバップ)」というオリジナルの言語を利用します。

SAP製品に関連するエンジニアの特徴と在籍業界

SAPエンジニアは、コンサルティング業界やSIer業界に多く在籍しています。イコールではありませんが、参考として日本国内におけるパートナー別のSAP認定資格取得数を紹介します。TOP3は以下のとおりです。

  1. アビームコンサルティンググループ
  2. アクセンチュア
  3. 富士通グループ

採用する時に知っておくとよいこと

SAPの2027年問題

SAP社が開発・販売している製品の1つにSAP ERPというものがあります。この製品はERP市場で世界1位を獲得しているソフトウェアですが、2027年にサポートが終了することが発表されています。

2%の延長保守料を支払うことで2030年までサポートを延長することも可能ですが、SAP S/4HANAへ移行する企業が多いようです。

元々SAPエンジニアの数はあまり多くないのですが、この2027年問題によりさらにSAPエンジニアが忙しい(= 市場価値が高くなる)状況が続きそうです。

求人のポイント

求人を作成する時は、下記の内容を求人に入れるとよいです。

1システム(サービス)の詳細
※特にそのシステム(サービス)をなぜ作っているのかを熱量をもって記載する。
2開発環境
3現在のエンジニア組織の体制
4現行システムの課題と募集の背景
5求められる業務と期待値
6エンジニアとしてのスキルアップ支援制度の有無と詳細
7エンジニアチーム内での相互成長のための仕組み(勉強会やLT会など)の有無と詳細
8選考フロー
9待遇
10キャリアパス

SAPの豆知識

SAP社の主な製品

SAP社はさまざまな製品を開発・販売しています。ここでは主要製品について紹介します。

SAP S/4HANA (エスエイピー・エスフォーハナ)

SAP S/4HANAは、SAP社が開発・販売しているERP製品です。同製品はオンプレミス版の「SAP S/4HANA」とクラウド版の「SAP S/4HANA Cloud」から構成されています。

SAP S/4HANAは、AI、機械学習などの最新技術を組み込んでいる点、通常のデータベースより高速なインメモリデータベースを採用している点などの特徴を持っています。

参考:SAP S/4HANA Cloud

SAP Customer Experience

SAP Customer Experienceは、クラウド型のCRM製品です。顧客や製品情報の管理に加えて、サービスなどの分析、顧客に対するアクションなどを管理できます。

参考:SAP Customer Experience

 SAP社の製品に関する導入事例

SAP社の製品は、主に大企業を中心に様々な企業へ導入されています。日本での導入事例についてはSAP ジャパン社がプレスリリースを出しています。ここでは、その事例をいくつか紹介します。

SAP関連の資格

SAPは自社製品の認定資格試験を実施しています。現在は150 以上の認定資格が最大 9 種類の言語で取得可能となっています。なお、試験はレベルごとにアソシエイト認定資格 、スペシャリスト認定資格、プロフェッショナル認定資格と分かれています。

以下に現在取得可能な認定資格を記載しておきます。

SAP関連のイベント 

SAPに関するイベントとしては以下のようなものがあります。

SAP TechEd Japan

SAP TechEd Japanは、SAP社の製品に関する最新情報などが発信される大規模なイベントです。こちらのイベントは毎年開催されています。当日参加できなかった人も、リプレイでの視聴も可能です。

参考:SAP TechEd Japan 2021

JSUG Conference

JSUGとは、Japan SAP User Groupの略です。日本でSAPを利用している企業が集まり、SAPに関する情報交換などを行っています。JSUG Conferenceは年に1回開催される同組織のイベントです。

参考:JSUG Conference 2021

 

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