エッジコンピューティング

この記事はエッジコンピューティングについて解説した記事です。会話形式のやさしい文章で「エッジコンピューティング」の用語のイメージを紹介した後に、採用に役立つエッジコンピューティングの知識を解説しています。

1分で分かる!エッジコンピューティングの基礎知識

ねぇねぇ。ジャバード先生。コネクテッドカーって知ってる??

もちろん知ってるよ。インターネットを始めとするネットワークとつながる自動車のことだよね。

そうそう!実はここだけの話なんだけど、いまコスモス自動車さんが、車両から取得した色んな情報をリアルタイムで収集・分析するような仕組みを開発しようとしているみたいなんだ。

ことりん君は、なぜそんな社外秘的な情報まで知ってるの…

それはボクも日頃から思ってるんだよね。ボクが悪い人だったらインサイダー取引し放題だよね。やってないけど。

ことりん君、だめだよ。インサイダー取引は犯罪だからね。最悪の場合、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金だからね。

いや、だからやってないけどね!?それで話の続きなんだけど、どうやらコスモス自動車さんのコネクテッドカー開発がどうもうまくいってないみたいなんだよね。

あれ、そうなの?何が問題なんだろう。

ボクも詳しくわからないけど、コスモス自動車さんは車両データをクラウド上に集約しているらしいんだ。でも、現状だと膨大なデータ量のやり取りが発生するせいで、ネットワークがパンクしちゃうみたいなんだよね。

なるほどね。昔と違って、自動車はさまざまなセンサーを搭載しているし、自動運転カーとなると画像や動画データもあるからね。仮にそれを全部クラウドへ送ろうとすると、確かにネットワークがパンクしちゃうだろうね。

あぁ、やっぱりそうなんだね。何かいい方法ないかな?

エッジコンピューティングだと解決できるかもしれないね。

エッジコンピューティング??なにそれ??

エッジコンピューティングを簡単にいうと「データを取得するデバイス自身が、データをいい感じに処理して、必要なものだけをクラウドへ送ってね」という技術のことだよ。

ふむふむ。

ちなみにエッジっていうのは「端」とか「ふち」っていう意味だね。クラウドを中心と考えると、ユーザーのパソコンやIoTデバイスなんかが「エッジ」にあたる部分ということなんだ。今回の例でいうと、コスモス自動車さんのコネクテッドカーが「エッジ」というわけだね。

えっと、エッジとなるそれぞれのデバイスがデータ処理をがんばりましょうってことだよね?それって一体何が嬉しいの??

エッジコンピューティングを導入すると、それまでとは違って本当に必要なデータだけをクラウドへ連携することになるから、ネットワークへの負荷がかなり軽減されるんだよ。このポイントは、まさにコスモス自動車さんが困っていたところだよね。

あぁ!確かに!

その他にも最小限のデータやり取りですむから、遅延が減少してリアルタイム性が増したり、セキュリティ性も高くなるというポイントもメリットといえるね!

そっか!エッジコンピューティングによって、ネットワーク間を流れるデータ量が少なくなることで、いろんなことが解決しそうだね!

総務省の発表によれば、IoTデバイスは2023年には世界で約340億台に達するという予測もあるんだよ。現在はクラウドがスタンダードになりつつあるから、エッジコンピューティングの需要も高まっていくだろうね。

無くてはならないものになりそうだよね!じゃあコスモス自動車さんにはエッジコンピューティングについてこっそり教えてくる!ジャバード先生ありがとう!

はーい!またね!

エッジコンピューティングとは?採用に役立つ基礎知識

エッジコンピューティングは、データの生成源である各デバイス側でデータの処理(加工や分析など)を行い、必要な情報のみをクラウド側へ連携するといった技術を指します。

これまで主流であったクラウド側で処理を行うようなものを「集中型」と呼ぶことがありますが、エッジコンピューティングは分散コンピューティング・アーキテクチャとも呼ばれます。

エッジコンピューティングの主なメリットは以下の3点です。

  • ネットワークの負荷軽減
  • 遅延の軽減
  • セキュリティの強化

既に現在はクラウドが主流となりつつありますが、一方でクラウドへ接続するデバイスは今後爆発的な増加が予測されています。そのため、ネットワークリソースの枯渇は大きな問題に発展する可能性があるといえます。

エッジコンピューティングは、このようなクラウドファースト時代に明らかとなってきた様々な課題に対する有効な解決策だといえます。

エッジコンピューティングに関係するエンジニア

エッジコンピューティングに最も関係が深いのは、組み込みエンジニアやIoTエンジニアなどです。ただし、ほかのエンジニアについてもアーキテクチャ設計時に意識する必要があるでしょう。

エッジコンピューティングに関係するエンジニアの特徴と在籍業界

エッジコンピューティングに関係するエンジニアの特徴は、特にありません。かつての「クラウド」がそうであったように、今回のテーマであるエッジコンピューティングもスタンダードなものとなっていくでしょう。

なお、エッジコンピューティングの知見があるエンジニアが在籍している可能性が高いのは、エンジニア職種同様に、組み込み業界、IoT業界などが挙げられます。

採用する時に知っておくとよいこと

エッジコンピューティングに知見があるエンジニアは少ない?

前述したように、エッジコンピューティングは、クラウドが有する様々な課題を解決できる技術の1つです。そのため、エッジコンピューティングに知見があるエンジニアについても、既に需要が高まりつつあります。

ただし、エッジコンピューティングエンジニア自体がまだまだ少ないため、採用活動も苦戦する可能性が高いといえます。

求人のポイント

求人を作成する時は、下記の内容を求人に入れるとよいです。

1システム(サービス)の詳細
※特にそのシステム(サービス)をなぜ作っているのかを熱量をもって記載する。
2開発環境
3現在のエンジニア組織の体制
4現行システムの課題と募集の背景
5求められる業務と期待値
6エンジニアとしてのスキルアップ支援制度の有無と詳細
7エンジニアチーム内での相互成長のための仕組み(勉強会やLT会など)の有無と詳細
8選考フロー
9待遇
10キャリアパス

エッジコンピューティングの豆知識

エッジコンピューティングを使ったサービス

エッジコンピューティングは大きな注目を集める技術の1つです。そのため、各社ともさまざまなサービスを展開しています。

たとえば、Amazon社は、エッジデバイスで動作する機械学習 (ML) モデルを簡単に操作できるAmazon SageMaker Edge、アカマイ・テクノロジーズはエッジコンピューティングができるプラットフォームであるAkamai EdgeWorkersなどです。

エッジコンピューティング関連のイベント 

エッジコンピューティング関連のイベントとしては以下のようなものがあります。

また、経済産業省は毎年「AIに特化したエッジコンピューティング」であるAIエッジコンピュータに関するコンテストを開催しています。

AI Edge Contest

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