1分で分かる!Ansibleとは?
ジャバード先生、レタスコンピュータさんのこと覚えている?
レタスコンピュータさん?たしかCentOSのサポートが終了する件でドタバタしていたよね?
そうそう。そのレタスコンピュータさんなんだけど、最近自社サービスの構築に関して悩みがあるみたいなんだ。
自社サービスの構築か。どんな悩みか聞いてきた??
レタスコンピュータのインフラエンジニアさんと話したんだけど、ちょっと難しくてさ。あ、でもメモをとってきたから大丈夫!
じゃあ、そのメモを読んでみてくれるかな?
えっとね。「自社サービスが複雑化してきて、アプリケーションの構成が複雑になってきた」「アプリケーションを構築するのにとても時間がかかる」「構築は手作業で行っているので、どうしてもミスが発生するリスクがある」とか書いてるね。
なるほど。
あ、そういえばメモを読んでて思い出したけど、リリースするときは手順書をもとに作業を進めているらしいんだけど、その手順書つくるのも面倒だし、リリース時に作業待ちとなる時間も多いってブツブツいってたな。
かなりストレスがたまってそうだね。
ほんと大変そうだったよ。そんなレタスコンピュータさんを救えそうなものってないかな?
そうだねぇ…。Ansible (アンシブル)なんてどうだろう?Ansibleは、構成管理ツールと呼ばれるソフトウェアの1つなんだよ。
あんしぶる??構成管理ツール??
そう。まずは構成管理ツールから説明するね。
お願いします!
構成管理ツールっていうのは、その名の通り、システムに関する状態を最新に保持し、継続的に運用していくために使用するソフトウェアのことだよ。
う~ん。分かったような分からないような…。
1つのシステムを動かすためにはいろんな要素が必要になるんだ。たとえば、ハードウェアやサーバー、それにネットワークのようなインフラはもちろん、データベースやサーバーソフトウェアも必要になるよね。
そうだよね。そのあたりはわかるよ!
それらの要素は複雑に絡み合っているんだ。よくあるのは「OSの更新パッチをあてたらソフトウェアが動かなくなってしまった」とかね。
なるほどなるほど。
そんな複雑なシステムを手作業で管理するのは、かなり危険なことなんだ。なぜなら、たった1つのミスをしただけで、最悪の場合はシステムが停止するリスクもあるからね。それに手作業だとかなり時間もかかっちゃうのも大変なところだよね。
たしかに…。担当者さんはかなり神経を使いそうだね。
そこで構成管理ツールというわけだ。構成管理ツールがあれば、そういったシステムの要素を簡単に管理できるようになるんだ。
じゃあレタスコンピュータさんは、その構成管理ツールっていうのを使えばよさそうだね。
そうだね。その構成管理ツールの中でも、さっき話したAnsibleがおすすめだよ。
Ansibleってどういう特徴があるの??
Ansibleはなんといってもシンプルさがウリだね。他の構成管理ツールはプログラミング言語のRubyに関する知識がないと使いこなせないんだけど、AnsibleはYAMLという形式のファイルに設定を書くだけでいいんだ。
それなら初心者でも対応できそうだね!
そうなんだ。それにコミュニティも強力かつ活発だから、きちんとソフトウェアがアップデートされている点も嬉しいポイントだね。
あぁ、オープンソースソフトウェアだけど、ほとんど開発止まってますっていうのはちょっと怖くて使えないもんね。
そういうこと!だから、レタスコンピュータさんは、Ansibleを使えばもっと楽にシステムを管理できるようになるはずだよ!
ジャバード先生ありがとう!レタスコンピュータさんに話してみるよ!
はーい!解決するといいね!
Ansibleとは?採用に役立つAnsibleの基礎知識
Ansibleとは構成管理ツールの1つで、Red Hat社が開発しています。Ansibleを使えば、サーバー起動時に、設定ファイルに記載されたソフトウェアなどを自動的にインストールしたり、設定を行うことができます。
他の構成管理ツール (PuppetやChefなど)は、設定時にRubyの知識が必要となりますが、AnsibleはYAMLという形式のファイルに、指示を書き込んでいくことになります。そのため、学習コストが低く、初心者であっても比較的習得が早いことや、作業の属人化を防ぐ効果もあります。
Ansibleを使うエンジニア
Ansibleはインフラをコード化する (Infrastructure as Code)ためのソフトウェアです。そのため、インフラ(サーバー)エンジニア、インフラ基盤(データベース)エンジニア、インフラ(ネットワーク)エンジニアなどのインフラエンジニアが使うものです。
Ansibleを使うエンジニアの特徴と在籍業界
Ansibleを使うエンジニアの特徴としては、とにかく楽をしたいと思っている人たちです。(というのはかなり語弊があります。)
ただ、インフラ構築というこれまで手作業で行ってきたものを、プログラミングのようにコードとして定義していくものであり、インフラエンジニアにとっては、これまでの業務の進め方がまったく変わってしまうものです。そのような変化量が大きい技術に対しても、臆することなく挑戦できるというのは、エンジニアにとってあるべき姿ともいえます。
なお、Ansibleを使うエンジニアが在籍しているのは、Web業界やスマートフォンアプリ業界など、開発スピードが速い業界が挙げられます。
採用する時に知っておくとよいこと
Ansibleの今後
日本のIT業界は、世界と比較するとかなり遅れているといわれています。そのため、新しいツールなども普及に時間がかかりがちです。
Kotlinなどを開発したJET BRAINS社の2021年の発表によれば、DevOpsエンジニアが使用する構成管理ツールのシェアにおいてAnsibleは38%を獲得しています。ちなみに2020年のシェアでは26%程度であったため、わずか1年間で12%もシェアを伸ばしたことになります。
このような点をみると、今後日本でもAnsibleの導入はさらに進むと予想されます。そして、Ansibleができるエンジニアの需要もさらに高まっていくのではないでしょうか。
求人のポイント
求人を作成する時は、下記の内容を求人に入れるとよいです。
1システム(サービス)の詳細
※特にそのシステム(サービス)をなぜ作っているのかを熱量をもって記載する。
2開発環境
3現在のエンジニア組織の体制
4現行システムの課題と募集の背景
5求められる業務と期待値
6エンジニアとしてのスキルアップ支援制度の有無と詳細
7エンジニアチーム内での相互成長のための仕組み(勉強会やLT会など)の有無と詳細
8選考フロー
9待遇
10キャリアパス
Ansibleの豆知識
Ansibleを使った有名な企業・サービス
ここではAnsibleを使った有名な企業やサービスについて、いくつか紹介します。
ソフトバンク
ソフトバンクは、ITインフラ運用自動化を実現するために、Ansibleを導入しました。結果として、1ドメインあたりに30分〜2時間程度を要していた更新作業を、わずか20秒程度で完了できるようになったそうです。このように、Ansibleを活用することで、高い生産性を実現できるようになります。
みずほ銀行
みずほ銀行は、プライベートクラウド基盤である「みずほクラウド(IA)」に関するハードウェアの構築自動化にAnsibleを活用しています。Ansibleの導入により、ハードウェアのコード制御や構築の自動化に成功したようです。
Ansible関連の資格
Ansible関連の資格としては、Red Hat社が主催しているAdvanced Automation – Ansible Best Practices – 認定試験 (DO448) というものがあります。こちらの認定資格は、Ansibleを利用し効率的に自動化するためのスキルが問われます。
Ansible関連のイベント
Ansible関連のイベントとしては以下のようなものがあります。どちらのイベントも、Ansibleを開発しているRed Hat社の公式イベントです。